運送会社に限らず、仕事で車を使う会社はとても多いかと思います。車はとても便利な一方で、事故や燃料代高騰など様々なリスクを伴います。
特に現在、ガソリンや軽油などの燃料代の高騰が続いています。「燃料代が利益を圧迫している」「少しでも燃料代を節約したい」と感じていませんか?
この記事にあるアイデアを実践すると、少ないコストで会社の利益を増やす可能性があります。使うコストは手間と紙くらいで、事故・燃料費・保険料などを削減することができます。
事業を運営する上で、車は欠かせないものです。そんな企業の事故防止と燃費改善の解決のアイデアが「エコ安全ドライブ」です。
この記事では、車が必須な事業者に役立つ「エコ安全ドライブ」の内容と実際の社内での取り組み、意識づけの参考となるツールをご紹介します。
エコ安全ドライブ(エコ安全運転)とは
エコ安全ドライブとは、警察庁、経済産業省、国土交通省環境省からなるエコドライブ普及連絡会が推進する地球環境、お財布に優しい運転方法のや心がけのこと。
「エコドライブ10のすすめ」として周知されています。
冒頭でも紹介したように燃費の改善が期待できる他、以下のメリットがあります。
特に、車の利用が欠かせない事業者や法人は社会的な取り組みとして環境へ配慮した事業運営がますます求められています。そういった意味でも今後しっかりと社内で取り組んでいくメリットは大きいと言えるでしょう。
ここからは「エコ安全運転」の具体的な内容をご紹介します。
エコ安全ドライブ、10のアイデアに取り組もう
ここからは「エコ安全運転」の具体的な内容をご紹介します。
1. 自分の燃費を把握しよう
これから紹介するエコドライブを実践する前に、まずは自分の車の燃費を把握することからはじめましょう。
燃費の向上を「見える化」することで、エコ安全運転の有効性を認識し、従業員ひとり一人が主体性を持って取り組めるようになります。
エコ安全運転を習慣化させる具体的な燃費の把握方法は後ほどご紹介します。
2. ふんわりアクセル「eスタート」
発進時は優しくアクセルを踏みましょう。発進して5秒で時速20㎞が目安です。
緩やかな発進をするだけでなんと、10%程度の燃費改善が期待できます。
3. 車間距離を十分に。加速・減速の少ない運転
車間距離を十分に取って、一定の速度で走りましょう。車間距離が短くなると、急な減速が多くなりがちです。
ちなみに加速、減速の速度変化が多くなると市街地では2%、郊外では6%程度
燃費も悪くなると言われています。
4. 減速時は早めにアクセルを離す
停止することが予測されたら、早めにアクセルから足を離す習慣をつけましょう。
これだけで2%の燃費改善に繋がります。
5. エアコン使用は適切に
車のエアコンの機能を理解していますか?
車のエアコン(A/C)は、車内を冷却し除湿する機能。ですので暖房を利用するときはエアコン(A/C)のスイッチは切りましょう。
車の温度設定を外気温と同じ25℃に設定していたとしても、エアコンのスイッチをつけたままだと約12%燃費が悪くなります。
6. ムダなアイドリングはストップ
駐停車する際は、アイドリングストップを心掛けましょう。
エアコンを切った状態で10分間のアイドリングをするだけで、なんと130CC もの燃料消費となります。
また、現在の車は暖機運転の必要はありません。アイドリング時間を減らすため、出発時にエンジンをかけるようにしましょう。
7. 渋滞を避け、余裕を持った出発を
出発前に道路状況及び目的地へのルートの確認をしておきましょう。
たとえば、途中で道に迷った結果10分多く走行すると、約17%も多く燃料を消費しています。
また、時間に余裕がないと加速、減速が多い運転となってしまいがち。燃費改善のためには、ゆとりを持った運転計画が有効です。
8. タイヤの空気圧から始める点検・整備
タイヤの空気圧を適正に保つことも燃費改善に有効です。
タイヤの空気圧が適正値より50kPa(0.5㎏/㎠)不足した場合、市街地で約2%、郊外では約4%燃費が悪くなると言われています。
9. 不要な荷物はおろそう
不要な荷物は走行時に積まないようにしましょう。
荷物の重量と燃費の関係性はよく知られていますが、具体的には100㎏の重量の荷物を載せて走行すると、約3%の燃費悪化となります。
また、意外なことに車の燃費は空気抵抗とも関係があります。使わない外装品(スキーキャリアなど)は外して走行した方がいいでしょう。
10. 走行の妨げとなる駐車はやめよう
交差点付近などでの迷惑駐車をしていませんか?
自分の車の燃費に直接的な関係があるわけではありませんが、迷惑駐車は交通の妨げとなり渋滞を引き起こす原因となります。
その結果、他の車の燃費悪化に繋がります。
また、迷惑駐車は交通事故の原因となります。車を利用する人みんながルールを守ることで社会全体でエコ安全運転を推進していくことにも繋がります。
エコ安全ドライブを習慣化し、効果を見える化しよう!
エコ安全運転の内容やメリットは理解できたかと思います。しかし、これを実際の燃費改善に繋げたり、習慣化するには効果を「見える化」することが重要です。
ここからは、社内でエコ安全ドライブを推進・定着させるための具体的な方法を解説します。
1. 燃費の計算方法を知ろう
燃費の計算方法は非常にカンタン。1Lあたりの走行距離が燃費となるため「走行距離÷給油量」で求めることができます。燃費の確認方法は何通りかありますが、今回は手軽な方法を2つご紹介します。
満タン法
満タン法とは、燃料を満タンにし走行。そして次の給油でも満タンにし、給油と給油の間で走行した距離を測定し燃費を算出する方法です。
先ほど紹介した「走行距離÷給油量」で燃費を求めます。
燃費計で確認する
車によっては燃費計が搭載されている場合もあります。
そういった場合はわざわざ計算する必要はありませんが、あくまで概算となるため正確な燃費を把握したい場合は満タン法をおすすめします。
2. 燃費改善効果を実感できるツールを利用する
燃費改善効果をドライバーに実感してもらうことが、エコ安全ドライブの継続につながります。そのために無料で利用できるツールをご紹介します。
まずは、燃費記録表を活用する方法。環境省のポータルサイト「COOL CHOICE」で燃費記録表のPDFがダウンロード可能です。(環境省 燃費記録表PDF)
こちらの燃費記録手法は、東京都トラック協会の行う『グリーン・エコプロジェクト』による環境負荷低減プロジェクトと同等のものです。紙と鉛筆だけあれば出来る簡単な取り組みですが、燃費が経営に直結する運送事業者も行っている手法であり、弊社も同じ手法で燃費の削減をおこなっています。
エコ安全運転を実践していて実際に、
- 燃料費の削減
- 事故の低減
- 保険料の削減
- 車両の耐久性向上
などの副次的な効果がたくさんあります。
日々の走行距離や給油量と目標燃費などを記載できるフォーマットとなっています。印刷するだけなので「手軽にはじめたい」「スタートアップで車両管理がまだ上手くできていない」という企業におすすめです。
「もっと簡単に燃費の記録を残したい」という場合は、燃費管理システムReCooというサービスがおすすめです。「ReCoo」とは2005年に経済産業省がエコドライブを推進するため運営しているポータルサイト。
その中に走行距離と給油量を入力するだけで燃費を計算、記録してくれるサービスがあり無料で利用できます。